
舞台斬月をベースにした小説が発売。
同じ作品から2度小説が出るのは初めて。
発行部数が少ないのか中々見つけられなくて苦労した。
基本的には舞台前日談、舞台中の出来事、舞台後のエピローグで構成。
影正・アイム・グラシャの3人視点で半分以上影正視点。
帯には貴虎役の久保田さんとアイム役の萩谷くんのコメントあり。
貴虎が訪れる前のトルキア共和国の現状や貴族の実態などが詳しく描かれる。
まさにスカラーシステムが動いた沢芽市で酷いありさま。
少年たちはどうやって生き延びているんだろうと思ったら死なない程度に食料は落ちてきたのね。
影正は舞台ではミッチのような立ち回りに見えたけど前日談ではシドのような一面も。
切り札的ロックシードは残しつつもなんだかんだで手元に残ったのはブドウだけ。
冷静なようで情に流されるところはミッチそっくり。
オレンジライドのリーダー・サイモンの聖人ぶりはよく伝わってくる。
せっかくサイモンと仲良くなれたのに切ない。
アイム視点だと神紘汰に身体借りられた時の心情も分かった。
生きるか死ぬかの極限の状態の中で記憶喪失の貴虎のような人が出てきたらあんな対応になるのも分かるような。
ちょっとだけど神紘汰のセリフあった。
グラシャは両親の出来事がきっかけで弱肉強食な考えになったのは戒斗と一緒だね。
色々掘り下げていたとはいえテレビシリーズの人物に置き換えただけという印象は最後まで拭えず。
本来想定していたギャング同士の抗争が出来るからキャラも本編に近い人物に設定したんだろうか。
影正は死んだものと思っていたから生きていてアイムとの和解、復興に向けた終わり方は凄く良い。
アイム「人は変われるんだ」は紘汰が貴虎にいった「変身だよ」そのもの。
発売前はてっきり舞台のその後と思ったから舞台内容を文章に書き起こしただけ、という印象が強くて残念。
前回の鎧武小説がお祭り騒ぎの作品で期待していたから拍子抜け。
手放しで褒められるのが最後のエピローグくらい。
若者3人視点だから貴虎視点なかったのは残念。
神紘汰に会った時やカチドキに変身する際の心情は見てみたかった。
それに3人の視点だからプロトブラーボの出番はなくなってた。
舞台だと楽しいキャラだったベリアルだけど小説だけ見ると傭兵のモブキャラ。
もし小説しか読んでない人だとすると凰蓮っぽいのが出てきた、程度の印象で終わりそう。
発売されている平成ライダー小説の中では一番マニアックかも。
鎧武の映像展開全部追いかけて舞台を見てさらに小説も、って人がそんなにいるとは思えないし。
ともあれ放送から5・6年経つのに映画ゲストにジオウ客演、単独舞台と毎年何かしら鎧武を見れて嬉しい。
終了後もこんなに展開してくれるなんて他にはダブルくらいなものだし鎧武で好きでよかった。
今はこんなご時代だから即新作は難しいけれど落ち着いてきたであろう来年にまた新しい鎧武を始めてほしいな。
- 2020/06/12(金) 21:31:26|
- 仮面ライダー鎧武
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舞台が主に貴虎視点なら、小説はトルキア共和国の人々の視点で描かれるので所謂、相互補完のような内容になってましたね。
トルキア共和国の内情に焦点を絞りアイムやグラシャ、影正といった人物が鎧武本編のキャラ達と似通っているのも相まってより、「初期構想を基にしたリメイク」という印象が強くなったと思います(小説版龍騎や小説版555のように)。
実際、この小説から読んだ人達からは「鎧武本編と似通ったキャラが出てきて分かりやすい。初期構想の鎧武を読んでるよう」という声を聞きますし。
・影正
この小説で大いに株が上がったのは彼だったように思います。
舞台の時点では「紘汰や舞に出会わず、代わりに兄への心酔ぶりが突き抜けた光実」という印象だったのですが、プロローグを見ると彼もまた光実同様に「支配者側の立場でありながら、心を通わせた仲間を自分なりに救おうとしたのにどんどん泥沼にはまっていってしまう」という生き地獄を味わっていたのが切なかったです。
生き残っていたのが判明した時は嬉しかったですよ。
...野暮なことをいうと舞台の方では「やたら頑丈だな。もしかするとコイツもオーバーロード化してんじゃね?」とか思ってしまってましたが「実は雅仁に爆弾から救われていた」という優しい理由が追加されてましたねw
いや、それでも並みの人間よりは頑丈だと思いますが。
エピローグで貴虎の言葉で立ち直り、アイムとも和解を果たして新たなスタートを切るのを見ると彼は光実のアナザーでもあると同時に鎧武本編時点の貴虎のそれでもあったように感じます。
・サイモン
鎧武本編の裕也のような立ち位置ですが影正にとっては紘汰のような存在でもありましたね。
アイムを筆頭とするオレンジ・ライドのメンバーに慕われ、グラシャやフォラスにも一目置かれるのも納得な聖人ぶりでした。
裕也も、もしかしたら彼のような人物だったのかもしれませんね。
...出来れば裕也についてもこれまでの鎧武関連で掘り下げて欲しかったような(正直、個人的には裕也の鎧武本編での印象は若干、薄かったです)。
・貴虎
飛翔さんも仰っているように彼の視点も少しは入れて欲しかったというのが正直な所ですね。
まぁ、そちらの方は先述の通り舞台でということなんでしょうけど。
でもアイム達にとって彼がまさしくヒーローだったとより実感できたように思います。
エピローグで、病室で影正にトルキア共和国の復興を託すシーンは鎧武本編の方で紘汰が貴虎に夢で語りかけて意識を回復させたのと重なりました。
・新しい鎧武
舞台の記事の方でも述べましたが、『風都探偵』で裏風都なる敵組織が出たように、鎧武もまた黒の菩提樹に次ぐ「ロックシードや戦極ドライバーを悪用する組織」を出せそうですしね。
本作のトルキア共和国のようにユグドラシルの負の遺産は世界中のあちこちにありそうですし(苦笑)。
個人的にはフェムシンム(オーバーロード)やメガヘクスのように「かつて、ヘルヘイムの侵攻を克服した種族」も出てくれるといいな、と。
更にはその種族出身の新ライダーとか・・。ああ、妄想が止まらない(オイ)。
- URL |
- 2020/06/15(月) 19:16:31 |
- ps #-
- [ 編集 ]
>psさん
>トルキア共和国の内情に焦点を絞りアイムやグラシャ、影正といった人物が鎧武本編のキャラ達と似通っているのも相まってより、「初期構想を基にしたリメイク」という印象が強くなったと思います(小説版龍騎や小説版555のように)。
小説龍騎やファイズと言われると納得です。
子供向け番組や玩具販促の壁が無ければこんな感じのストーリーをやりたかったんでしょうね。
本当はどんな作品を作りたかったのかは読んでいて伝わってきました。
>影正
>「実は雅仁に爆弾から救われていた」という優しい理由が追加されてましたねw
影正は一気に株上げましたね。
自分も舞台時点ではミッチっぽい、くらいの感想だったのですが小説読むと印象変わります。
また爆発から無事だった理由も良かったですね。舞台だけだと身体頑丈にもほどがあるだろうと突っ込みたくなったので。
流用元になってレデュエも攻撃を防ぐ手段としてヘルヘイム植物を使っていたので違和感ありませんし。
ヘルヘイムの植物は相手の攻撃を防ぐ、捉える印象が強かったので小説内では直接命を奪っていたのが印象的でした。
>サイモン
小説人物が本編人物に似通っていたことを考えると裕也もこんな頼れる人物像だったんでしょうね。
裕也に関して描写少ないのは同意見ですが残った紘汰たちの台詞からするに慕われていたようですし。
裕也は本編終盤の再登場や夏映画と要所要所で登場こそすれど、どんな人物か分かる前の退場だったのが惜しいです。
>鎧武本編の裕也のような立ち位置ですが影正にとっては紘汰のような存在でもありましたね。
一見すると裕也のような人物ですが紘汰のような明るさも持っているんですよね。
本編ミッチからすると明るい兄が2人いるような気分だったのかもしれません。
だからこそ貴虎にはない兄としての2人に魅力を感じ身分を隠してチーム鎧武にいたのかもしれません。
>貴虎
>エピローグで、病室で影正にトルキア共和国の復興を託すシーンは鎧武本編の方で紘汰が貴虎に夢で語りかけて意識を回復させたのと重なりました。
ここはもうファン泣かせの狙ったシーンですよね。
フルスロットル・小説・舞台と変身し続けた貴虎がついに言葉をかけるわけですから。
今後は影正が復興に折れそうになった人をみかけた時、声をかけるのかもしれません。
>新しい鎧武
>本作のトルキア共和国のようにユグドラシルの負の遺産は世界中のあちこちにありそうですし(苦笑)。
そのための準備は前回の小説ラストで整えていたんですよね。
黒の菩提樹という巨悪は潰しましたがベルトとロックシードの設計図はバラまかれ誰でも悪用できるようになってますから。
舞台の設定を聞いた時も黒の菩提樹のような完全新規の悪組織を出すのではなく、既に本編に出ているユグドラシルが原因の一つと知った時は驚いたものです。
アダルトゲームはスピンオフ作りやすいように自由度の高い終わり方にするらしいのですが小説鎧武にもそのノウハウが活かされているなと。
- URL |
- 2020/06/16(火) 00:11:15 |
- 飛翔 #pDDeufHo
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