
劇場版ウルトラマンデッカーの感想。
今年もトリガーエピソードZ同様に映画とツブイマ同時配信の形態。
まずはテレビシリーズの振り返り。
エックスあたりまでは映画で振り返りコーナーがあったのを思い出して懐かしい気持ちになれた。
カナタを始めみんな若い。
○ストーリー
本編から1年後で3人とも頼れる教官になってる。
キューブ状の機械を相手にする特訓がちょっとスターウォーズEP4っぽい。
イチカの実家
リュウモンが新隊長でこの若さで隊長は出世コース
「どうするリュウモン!?」
「・・・え?」
珍しく戸惑うリュウモンが印象的。
頭が良いからこそ圧倒的に不利な条件ばかり頭に浮かんでそう。
テレビシリーズでリュウモンが主役な時は「そのままでいいんだよ」なエピソードだったけど、上に立てば責任も伴いそのままではいられず変化(リーダーシップ)を求められる。
「それでもいざとなったら怖いよ」がその通りでリュウモンとイチカの表情の演技が本当に良い。2人の成長を感じる
そんなリュウモンが「4人いる。少なくとも1人じゃない」という主役のような台詞を口にするのが熱い。
今回のサプライズ枠はグレースとナイゲル。
事前情報全くなかったからビックリした。
ダイナやトリガーといったウルトラヒーローではなく既存キャラでサプライズ演出が良いね。
ラストは両手に花で宇宙に旅立ち。
大勢の艦隊と共に宇宙進出は超8のような終わり方。
明確な将来の目標があったイチカとリュウモンと違い、カナタはフワフワしていたから一緒に宇宙へ行くのが意外だった。
てっきり実家の煎餅屋を継ぐか訓練校の教官になってなって次世代を育成するのかと。
ケンゴは火星だしカナタとディナスがいなくなった事でこの地球はウルトラマン不在でノーガード。
まだエタニティコアが眠っているしアブソリューティアンや他の侵略者が狙っているかもしれない中で不安を残す旅立ち。
○ウルトラマンディナス
「敵か味方か!?」な触れ込みだったけど終始良い人。
「光の力を誰かの為に使おう」という台詞に嘘偽りはなかった。
劇場版ウルトラマンは敵対する事が多いので最初からまとも過ぎる。
回想シーン見ると心優しく戦いには向いて無さそうな性格。
それでも故郷の星を守り抜けたのは襲ってくる宇宙人が強くは無かったからかな。
最期がフラッシュタイプのまま勝てていきなりダイナミックタイプなら余裕そうだったので。
ジャスティスのように女性が演じていたけど中性的な雰囲気に対し、ディナスは明らかに女性の声で「ディアッ!」だから新鮮。
グリージョはまんまアサヒで戦うヒーローっぽくはなかったから。
最近の円谷のグリージョ推しやカルミラのヒーロー化を見るにウルトラウーマンを増やしたい?と考えていたので変身後はウーマンではなくマンなスーツで意外。
怪獣カードを使うのはカナタにはない戦い方でこれを本編でも見たかった。
ディメンションカードは怪獣召喚して終わりで魅力的とは言い難かったので。
○ウルトラマンダイナ
当時ディナスの惑星を助けに来たのがダイナで声もアスカっぽい。
ディーフラッシャーを与えてまるでウルトラマンを生出したかのような演出。
ダイナ(アスカ)がディーフラッシャーを誰かに託されてさらにディナスに渡したのか、自分で生み出したのか。
○怪獣
本編ではスフィア系やテラフェイザーばかりが相手だったので従来のシリーズからの怪獣は久しぶり。
スフィアに翻弄された本編だったけど、皮肉にもスフィアバリアがあるから他の宇宙人が侵略してこなかったのもまた事実。
イカルス星人はギンガやエックスの頃は常連だったので懐かしい。
ちょっと前にニュージェネレーションスターズ(ギンガ編)にも出てきたね。
この世界では初めてなので画面も「NO DATA」扱い。
ギガロガイザの合体も浪漫があって良い。
ゾルギガロガイザはテラフェイザー・ディナスを倒して強さを見せるものの、復活したデッカーフラッシュタイプには破れる。
ヒーロー側の復活に重きを置いていたとはいえ映画ボスとしては見た目の割にかなり弱い方であり格が…
○戦闘シーン
ドラマパートが素晴らしかったのとは裏腹に戦闘シーンがイマイチ。
ディナスの戦い方が新鮮だった前半は良かったけど終盤の
・ロボと並走してウルトラマンに変身
・テラフェイザーで身を挺してウルトラマンを守る
・ロボ総出の総力戦
とかはテレビ終盤を焼き回しを見せられている気分になって気持ちが乗れなかった。
ナースデッセイたちが出てきたとき(もうサプライズでダイナやトリガーは出てこないな)で冷めちゃったから。
デッカーにも開始1時間でやっと変身。
実質「劇場版ディナス」な構成だったし子供たちに飽きられないように最初にデッカーが活躍する振り返りを持ってきたのかな。
ディナスからデッカーのカードになり光のバトンが繋がっていたり、基本タイプでもちゃんと強いところを見せてくれたのは好き。
それはそれとして他のタイプチェンジやダイナミックタイプは見たかった。
トリガー エピソードZでは全形態見せたうえで他ウルトラマンとの共闘など、共演作のお手本みたいなバトルシーンだったから本作はその域に達していなかった印象。
○エンディング後
ツブイマ限定なのか配信後にカナタとディナスを演じた2人にインタビュー。
劇中のディナスは声張ったシーンが多かったので中村加弥乃の声がアイドルっぽくて可愛い。ティガスカイタイプが好きって中々マニアック。
そして期待の新作ウルトラマンのシルエットも。
エピソードZはデッカーのスーツがお披露目だったけど今回は逆行演出でハッキリ見えず。
予告見るとかなり緊迫そうな雰囲気が伝わってきてシンウルトラマン続編やネクサス系と言われても信じちゃう。
ニュージェネは好評でシン・ウルで一般層認知度もアップ。
ギャラファイやULTRAMANは海外でも大人気だからNプロ路線で再挑戦できると踏んだ?
今のウルトラマンの情勢でシリアス路線こけたら数十年はシリアス系ウルトラマンは無理かも。
以上、劇場版デッカーでした。
ドラマパートは文句なしの面白いさ。
本編の丁寧さが映画でも活かされていて1年経った若者たちの現在、そして未来を見事に描いている。
新キャラディナスも終始味方側で余計なヘイトを溜めず見易いキャラ。
ちゃんとバックボーンの紹介もあったし戦闘のプロでは無いながらも頑張っているのが伝わってきた。
隊長・副隊長も出番少ないながらも背中合わせで銃構えるシーンは頼もしかった。
戦闘シーンは上に挙げたように本編終盤で見た物をまた見せられている気分になり残念。
こじんまりとした作風は本編で終わらせて映画はもっと熱いバトルや共演といったエンタメに振って欲しかった。
・デッカー&ディナス共闘
・アスカとの同時変身
・イグニス=トリガーダーク登場
すら無いとは思わなかったよ。
トリガーでは不可能だった新旧当時変身がダイナ&デッカーでは出来たはずなのにやらないなんて。
つるのさんもデッカー放送中のウルトライベントに何度も参加しているから出来ない事はないはずなのに。
デッカーの良いところでも悪いところでもある「丁寧過ぎてヒーロー作品としての熱さに欠く」を映画でも引きずった。
また2年連続で劇場配信作だけど、2年連続でこじんまりとした作風もどうなのかなと。
タイガまでのように「これが映画!」を見たいので本編後のこじんまりとした映画だと華にかける。
それこそデッカーは制作発表時からダイナとの同時変身・共演を心待ちにしていたので、ついに実現せずガッカリした気持ちの方が強かった。
デッカーとディナス自体はギャラファイへの参加も容易で次に繋がる終わり方ではあったけれど。
- 2023/02/23(木) 14:23:27|
- ウルトラマンデッカー
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
ストーリーがわかりやすく、冒頭にこれまでの振り返りもあってとても親切設計でしたね。
振り返りがあったことで、子供はもちろん、子供の付き添いで観に来た親御さんでも「デッカーの後日談」のストーリーに入り込みやすかったんじゃないかと思います。
もちろん半年間しっかりリアタイしていた視聴者および特オタからしても、GUTS-SELECTの成長がキャストの演技からも感じられて胸が熱くなりましたし、グレースとナイゲルの助太刀は全く予想してなかったので嬉しいサプライズでした。きちんとテレビシリーズの積み重ねが感じられるストーリーだったと思います。
ゲストのディナスが終始味方ポジションだったのも個人的には好印象でした。ディナスの見た目からも悪らしさは一切感じられなかったので、きちんと「ダイナから受け継いだ意志と力」を最後まで貫いてくれて安心しました。ギャラファイ続編があればグリージョとのウルトラウーマン共演があるかもしれませんね。
ストーリーとしてはまとまっていた一方で、自分もアクション面には不満が残りました。
テレビ本編でも思いましたが、やはりデッカーは良くも悪くも優等生タイプなんですよね。非常に丁寧に作られているけど、「これは凄い!」と食い入って見るような部分がないといいうか…。
まさに今回の劇場版もそうで、特撮部分も「それは本編で観た」と思ってしまうものが多く、単調に感じられました。正直劇場版というよりデッカー26話を見ているような感覚で、ディナス登場以外特にこれといって派手さはなかったですね。ディナスも戦いが苦手という設定のためそこまで強く見せられないですし(何なら変身前のカードを使ったアクションの方がカッコ良かった)、終盤でようやく変身したデッカーもまさかのタイプチェンジすらないとは…。劇場版フォーム無し、最強フォーム無し、タイプチェンジ無しはウルトラ映画では初なんじゃないですかね?
自分もアスカ登場期待してました…。ここでやらんでいつやるんだと(泣)
デッカーがゾルギガロガイザを追って宇宙空間に来た際は、「ここでダイナ(アスカ)来るか⁉」と身を乗り出してしまいましたが、結局デッカーフラッシュタイプであっさり撃破。回想のダイナがアスカっぽかっただけに、さらにハードルを上げてしまいました。
あとトリガー組との絡みも少し欲しかったですね。あれだけ本編で共闘してましたし、仰るようにイグニスとニアミスしても良かったんじゃないかなと。サラッと助太刀してサラッと去っていく感じでいいので…。
間違いなくデッカーの後日談でありGUTS-SELECT5人の最終章を描き切ったのは良かったですが、「劇場版にする意味はあったのか?」と疑問を感じる一作でした。完全に自分の好みだからに他ならないですが、ヒーローものならば劇場版ならではの派手な映像と、「よっしゃああああ!」と画面の前でガッツポーズしちゃうくらい燃える展開を求めてしまいます。
- URL |
- 2023/03/02(木) 13:19:00 |
- SUBARUX #-
- [ 編集 ]
>SUBARUXさん
正しく後日談な映画でしたね。
予告時点では「敵か味方かウルトラマンディナス!?」って煽りだったので不安でしたが
いざ視聴すると最後まで味方で安心しました。
いつかギャラファイに出演した際はグリージョはもちろん、似たようなポジションのジャスティスとも共闘して欲しいです。
>テレビ本編でも思いましたが、やはりデッカーは良くも悪くも優等生タイプなんですよね。非常に丁寧に作られているけど、「これは凄い!」と食い入って見るような部分がないといいうか…。
一話から一貫してパンチ不足は否めませんでしたね。
ゼットやトリガーの盛り上がりを経験しちゃうと「あれ?」と物足りなくなっちゃいます。
デッカー26話という表現はまさにその通りですね。
これがテレビシリーズでやればいい後日談!となりますが満を持して公開(配信)された劇場版だとうーん、となるので。
>劇場版フォーム無し、最強フォーム無し、タイプチェンジ無しはウルトラ映画では初なんじゃないですかね?
この3つが揃った映画は初めてですね。超時空の大決戦でもガイアV2→SVはありましたし。
ギンガ劇場スペシャル2を映画としてカウントすれば当てはまりますが、ギンガの映画は実質10勇士が最初なので…
>自分もアスカ登場期待してました…。ここでやらんでいつやるんだと(泣)
つるのさんがあれだけイベントに出ていたら期待しちゃいますよね(涙)
最後の華になる映画に登場しないのはガッカリですよ。
いつかはギャラファイで共闘するかもしれませんが、本人同士の変身はこれがラストチャンスだったはずなので。
またイグニス未参加なのも不満でした。
SUBARUさんはEXPO2023未鑑賞だと思うので若干ネタバレですが、最後はトリガーとトリガーダークが駆けつけてくれたので、それを映像作品でも見たかったです。
今のところエピソードZが最後なのでギャラファイ参戦含め、諦めずに待ちます。
>完全に自分の好みだからに他ならないですが、ヒーローものならば劇場版ならではの派手な映像と、「よっしゃああああ!」と画面の前でガッツポーズしちゃうくらい燃える展開を求めてしまいます。
その気持ちわかります!
ニュージェネクライマックスを最後に、こじんまりとしちゃってるんですよね。
ニュージェネ映画自体元々後日談なのでこじんまりとしがちですが、それも戦闘シーンは派手で盛り上がったので。
映画のような派手さはギャラファイに譲る流れになっちゃってますね。
- URL |
- 2023/03/03(金) 00:01:20 |
- 飛翔 #-
- [ 編集 ]