
仮面ライダーディケイドこと井上正大さんによる特撮ドラマ。
youtubeで全話配信されたので感想を。
一応ネタバレありで続きから。
多くの特撮俳優がキャスティングされた作品だけどデザインや世界観は全く新しいもの。
ある種のご当地ヒーローモノながら、CGは本家ニチアサ顔負けの時もあり物凄いクオリティ。
近年はドゲンジャーズとかも人気みたいだし、元特撮俳優が演じる機会増えてきているから見た目の説得力は凄い。
ヒロインにAKB呼んでグッズ展開も手広くやっていたり最初から力入っているのが分かる。
ジサリスらの変身はベルトではなくヘッドフォン。そのうち商品化しそう。
色はマゼンタではなくピンク。どっちかというと白っぽい気もした。
どことなくエグゼイドや迅フライングファルコンを彷彿させる。
井上さんはディケイドというよりジンガの雰囲気。
松田さん(仮面ライダーナイト)が出演するも特に台詞なし。
栗山航さん(流牙ガロ)が出演するも特に活躍なし。
賀集利樹さんのようなベテランが出演されてアギトっぽい金のデザインなのはちょっと笑った。
一気見で考察に頭使う余裕無かったのもあるけど、最後まで細かい世界観や設定は掴み切れなかった。
謎解きで進むというよりも謎の連続でスッキリした解決はないまま最終回を迎えた。
同時に予算都合を垣間見ることはチラホラ。
今やアニメ会社の社長になった井上さん主導による企画。
やりたかった事、できない事が他の役者さん以上に自覚があり、しがらみが多い中での制作だったんじゃないかな。
最後に女性幹部出てくるあたり続編は想定しているらしい。
井上さんのツイッターによると9月にイベントあってそこまでに続編どうするか決めるとか。
フィギュアオタクとしてはアーツサイズで何か欲しいところです。
- 2023/08/04(金) 01:41:32|
- その他特撮
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凄く嬉しいですね、まともに感想をまとめてる人をほとんど見かけないんですよこれ
Wikipediaなんかでもごく初期のまま放置されてるので
《いいところ》
・オリジナル特撮ドラマであるというところ
ウルトラ/ライダー/戦隊じゃない独立したコンテンツという時点で
中身に関係なく物珍しさにアンテナが刺激されて非常に快いですね
一昔前だと「GARO」もそうだったんですがあれは長続きして
押しも押されもせぬ一大シリーズになってしまったので無印のインプレッションは
それ以降には見られない魅力だと思っています
それだけに作品について語れるこういう場が全然なくて「誰も話してない…」というのが惜しいです
・バトルのクオリティが高い
スーツの造形とかアクション、CGはここまでやると想像できた人はほとんどいないんじゃないかと思います
井上氏もライダーやガロで鍛えられてるから生身でもキビキビ動いていて格好がいいですね
お金がかかってるってだけじゃなく囮の残像を曳いたり鎌から隠し武器の刀を抜いたりで
死角から相手を斬って決着をつけるジサリスのクレバーなフィニッシュだとか
剣の上に乗っかった状態で高速スピンして飛び回るデジール卿の必勝形みたいな
華衛士各々の個性が打ち出されているところは非常に気に入っています
携帯変華の単に全身にスーツがカチャカチャくっつくのではなく一旦素体になったうえで
ひっくり返って華衛士になるという凝ったエフェクトも面白いですね
仰る通りフィギュアなり玩具なりハイクオリティな立体物が欲しくなる絵でした
・ラドキーパー
毎度ヒロインを殺したり武器が鎌だったりでジサリスのコンセプトのひとつは「死神」だと思うんですが
むしろ劇中で死神っぽい佇まいなのは松田さん演じるラドキーパーだと思うんですよね
黒ずくめで寡黙で寿命を司るであろうオブジェクトを掲げた謎の男という
ひょっとしてこいつジサリス以外には見えてないのでは?と途中まで思ったりもして(笑)
それでいて最終回にようやく一言だけ漏らすんですが、その時の哀しげな表情で
「よくわからん男だし公正に徹する以上何か手伝えることがあるわけでもないんだろうけど
世界が滅んでしまうのを良しとはしていないんだな」というのが伝わってくるのがツボです
そもそもジサリスは冒頭の時点でクビになったのに組織の備品をチート改造したうえで横領しているろくでなしなので
そんな奴についてきてくれるあたりラドキーパーいい人だな、人情家なんじゃないのかなと思えてきます
後述する通りどいつもこいつも「勿体付けてるが中身のないことばかりベラベラ抜かしてる」ドラマなだけに
何にも喋らないラドキーパーが逆説的に一番好感度高くて誠実さを感じるんですよね(笑)
- URL |
- 2023/08/05(土) 12:07:49 |
- 1 #-
- [ 編集 ]
《ダメなところ》
・実は新しくない
完全新作…という雰囲気ですが実際は特撮経験者大目なキャスト陣営
特に井上さんがいつもの「強くてミステリアスな俺様系」で
「いくつもの世界を回」ったり「もうひとりの自分と問答・闘争」したりと
「擦り」のイメージが強すぎるんですよね
こういうのを喜ぶのはそういった背景を知っていてニヤリとできる古参の役者ファンだし
貴重な票数をそうやってがっちりキープしていく戦略は手堅くはあるけれど
新進性自体は希薄で見ていて貯金を切り崩しているようなもどかしさ/切なさがあります
あと作品のノリも謎だらけな状態で淡々と進むセカイ系というのはいかにも古いなあ…と(笑)
端的に言えば「一昔前の“今風”」という感じでわざわざ今こういうのやるメリットが見えにくいです
・×「謎が多い」〇「単なる説明不足」
仰る通り終始何が何やらわけがわからないんですよね
そのくせ勿体付けた「らしい」ことはブツ切りで喋ってるのが鼻につきます
確かにセカイ系ってそういうものなんですが
種明かしがパワー不足だと本当に「ヒキ」と「尺稼ぎ」以外の意味のない
空虚なハッタリだったんだなとガッカリするので…
そもそもジサリス(はクビになってるので厳密には違うけど)を始めとする「華衛士」って
何をしている人(かどうかすらだいぶ怪しい)たちなのかということにさえ
具体的な説明が為されていないのでそんな彼らの戦いの意義も見えてこない
なんだかそれぞれの縄張りで好き勝手にぶらついてるだけで
元締めとなっているであろう組織上層部から何を仰せつかってそういうことをしてるかもわからないんです
ケンカしても命まではとりませんし、互いの仲がいいのか悪いのかすら判然としないという
「我々こそ真の正義!裏切り者ジサリスを抹殺せよ!」みたいな
正義のお役所ヒーローVSわけありのアウトサイダーって構図でもないんですよね…
自分の理想の箱庭をちっちゃくまとめて悦に入ってるデジール卿とか
亡くした娘さんのことが忘れられずにウジウジ永遠にループする世界に引きこもってるヴァニタス先生とか
「こいつら本当に仕事してる/できてるのか?」と不思議に思えてなりません(笑)
ジサリスはリストラされた上に毎度アユカを殺してくるしで
消去法の結果周りをちょろちょろしつつアユカのボディガードやってくれるフォビアくんが
一番ヒーローっぽく見えますが彼も彼でその間受け持ちの世界はどうするの?って疑問があります
ファンクラブ限定の裏情報みたいなものもあるらしいけれど
ここでいう「開示しないとならない情報」というのは本当に物語の芯・背骨にあたる部分なので
そこを秘密めいてちらつかせるのは完全に悪手です。阿漕な商売のために肝心の本編がスカスカじゃ締まらないだろと
「GARO」なら毎度冒頭に入る
「魔界から人間を喰らうために出現するホラー、魔戒騎士はそれを狩り人々を守りし者である」
というアレがない。なので一方通行の考察はできても納得は最後まで得られませんでした
- URL |
- 2023/08/05(土) 12:09:47 |
- 1 #-
- [ 編集 ]
《計算どおりなんだろうけれど気に入らなかったところ》
TV放送の制約がなくなったからエログロに走るOVAみたいなところがありますよね
主人公がヒロインを殺したりとか、OP映像にナイフが映ってるみたいな
そういう要素が斜に構えた井上さんが「やってみたがった」ところなのかもなとは思うんですが
それっきりの逆張りばかりで話の面白さに貢献してないのでそこはちょっと惜しいですね
毒のある特撮変身ドラマでいくならいくでもう一押し欲しかった
加えて「生命」「死」「世界」「運命」といった大仰で複雑な観念を
自分本位に縮小再生産してそこでなんやかんややるというお題は
上でも言ったけれど今どき古いし、薄っぺらいなと感じました
取り返しのつかないことをゲーム的・ファッション的に扱っているし
それがミスとかじゃなく「最初からそういう話をやりたそう」なのがキツかったです
「毎度ヒロインが死なないと話が転がらない」という部分や
「やられてもなんかチート使っていたから普通に復活するジサリスを
最期に刺すというオチにいったいどれくらいの意味があるのか」という疑問
シオリが自殺したという重大な問題は最終回でさらっとリセットされて
世界が終わるも続くもアユカの気持ちの整理ひとつで他はどうでもいいという展開から
「世界の命運を握っているのはたったひとりの選ばれし者でそれ以外のモブの生き死には
後からでも気持ち一つでどうとでもなる」という幼稚で能天気なテイストが露骨に伝わってきて
「そういうのは直球でカッコ悪いな」と思ってしまいます
この辺は個人的な嗜好に合わなかった部分なのでもしきちんと話の枠組みが打ち出されていても
「よくできているが好きじゃないなこういうノリは」という着地になってしまうかもしれません
長々と書きましたがこれだけ集中して考察できるというのがある意味一番の魅力だとも思っていますし
こうして思いの丈を吐き出せる場を設けてくださったことをありがたく思います
…続くといいですね。あのオチで打ち切りは辛い(笑)
- URL |
- 2023/08/05(土) 12:12:03 |
- 1 #-
- [ 編集 ]
>1さん
確かにネットでもあまり見ないですね。
最終回は12万再生されているので、それなりに見ているファンも多いはずなのですが…
>・オリジナル特撮ドラマであるというところ
まずはここが評価点ですね。
割と新規のヒーローだと牙狼やゴウライガンといった雨宮監督作品あたりで止まっている気がするので
完全新規のヒーロー出してくれたのは嬉しかったです。
またバトルのCGもクオリティが高く、シーンによっては本家ニチアサ顔負けでした。
最終回のパワーアップは結構好きです。
>特に井上さんがいつもの「強くてミステリアスな俺様系」で「いくつもの世界を回」ったり「もうひとりの自分と問答・闘争」したりと
完全新作は嬉しいものの、(どこかで見た事あるような・・・)という気持ちになったのは否めませんね。
主演の井上さんからして士やジンガが入ったような俺様ですし。
記事書いてる時は上手く言語かできませんでしたが「セカイ系」という捉え方はぴったりですね。
どのキャラもそれらしい事をそれらしい雰囲気で喋ってるから意味があるように聞こえますが、視聴者目線だと意味不明のまま終わりを迎えたというか。
タイトルにもなっている「華衛士」からしてよく分かりませんしね。
>TV放送の制約がなくなったからエログロに走るOVAみたいなところがありますよね
大人向け作品あるあるですね。
エログロに意味やストーリー性があるわけではなく、ただそれだけで終わってしまうので。
>長々と書きましたがこれだけ集中して考察できるというのがある意味一番の魅力だとも思っていますし
1さんのようにここまで考察してもらえれば井上さんら製作陣も喜んでくれると思いますよ笑
後はシーズン2次第ですね。
やるにしてもニチアサ放送中の配信だけは避けてほしいなと。
- URL |
- 2023/08/05(土) 21:59:11 |
- 飛翔 #-
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